Final Fantasy XIV の 2021 年冬のシーズナルクエスト「星芒祭と小さなイエティ」で登場したお菓子シュネーバルは、ローエンガルデ (ルガディン族) の古語で「雪玉」を意味するとのこと。私はここで疑問を抱きました。ローエンガルデというのはドイツ語で「炎の衛士」を意味するため、雪玉の名前を持つお菓子が文化的に不自然だと思ったのです。
炎の衛士という呼び名の背景設定は次のようなものです。
煉獄の門と信じられている噴火口付近に里を築いていることから、「炎の衛士」とも呼ばれている。
噴火口付近であっても標高が高ければふつうに雪は降りますから、おかしいというほどではありません。が、プレイヤーが「雪」から連想しやすいエレゼン族ではなく、あえてルガディン族を選んだのは不思議です。しかも作ったミューヌはエレゼンだというのに。
私は、シュネーバルが現実に存在するドイツのお菓子である、つまり、シュネーバル (Schneeball) がドイツ語であるからだと推測しています。エレゼン族は (FFXI のエルヴァーン族から引き続き) 言語面、文化面でフランスをモチーフとしていると思われます。このため、ドイツ語の名前を持つお菓子の起源としてはふさわしくなかったのでしょう。
対して、ルガディン族はドイツ... と言えるほどドイツを感じさせる要素はないのですが、少なくともローエンガルデ (Lohengarde) とゼーヴォルフ (Seewolf) もドイツ語です。開発者の中では「ルガディンはドイツ風」というコンセプトがあって、この背景からドイツ語たるシュネーバルの起源をルガディンに持たせたのではないかと思っています。どうしてゼーヴォルフではなかったかと言えば、それはやはり海の狼よりは山に住まう者のほうが雪に馴染み深いからでしょうね。