cacophony「私は最後までこの SHIP に残りますよ。船が沈むのを見届けるつもりです。」
私がヴァナ・ディールの生活にうつつを抜かしてラグオルの探索から遠ざかるようになっていたときに、PSO 時代の友人が言った言葉です。SHIP は宇宙船、PSO におけるハンターたちのロビーです。2000 年 12 月にサービスが開始された PSO も、1 枚の拡張ディスクが提供されたのちには Dreamcast での展開もなく、新たな拡張ディスクは他プラットフォームでのみ提供されることになりました。FFXI のようにプラットフォーム間でサーバーを共有していませんでしたから、当然のこととして移住も多く、1 年もすると Dreamcast でプレイを続けている人はまばらとなってしまいました。当初 PSO と FFXI の二足のわらじを考えていた私も、ヴァナ・ディールの厳しさゆえに PSO を後にすることになりました。エリュシオン を手に入れたい思いを遂げぬまま。
それからおよそ 5 年ののち、わずかなユーザーのために稼働しつつけていた PSO のサーバーも停止、つまりサービスが終了するというアナウンスがありました。それを知って、私は急にかつての自分である RAcaseal の ANNE が恋しくなります。彼女のために、もう一度ラグオルへ行きたい! SHIP でみんなとおしゃべりしたい! そう思って身支度をします。しかしながら、5 年も経って、私の知っている人は一人でもいるの? 最後まで残ると言ったあの子に会えるのかな? という不安もありました (実はずっと遊んでいるらしいことまでは知っていました)。見捨てられた SHIP の生き残り組は当然独自のコミュニティを築いているでしょうし、私がそこに入っていけるのか、いまさら一緒に遊んでもらえるのかどうかもあやしいところです。まぁともかくも行ってみないことにはわかりません。アンズルよりウムがヤスシ。考えるんじゃない...感じるんだ! やられるまえにやれ! そんなかんじで 5 年ぶりの PSO の世界へログインしていきます...。
ひさびさの PSO ...... 幻想的な音楽が、心地よく、懐かしい。あぁ...わたしは戻ってきたんだ... そんな感覚。FFXI は王道の中世ファンタジー的世界観ですので、ひさびさに触れた PSO のサイバーな雰囲気が新鮮です。颯爽と黄色いボディが快活な印象でウキウキな爆弾元気娘の ANNE さんを選択します。迷うことなく ONLINE モードへ。5 年も前のゲームですが、デザインには古さを感じさせません。まずログインすると SHIP を選びます...... どこへ入るのがいいんだろう? 私が根城にしていたサーバー 11:LETHYSIA は既になく...。とりあえず危険人物に好まれる 1 は避けておくとして、どこかゆるゆるで遊んでる人を探してみよっかな。そんなかんじで、すごくいい加減に遊び相手を探しました。
5 年ぶりの乱入プレイなのでちょっと緊張...いやちょっとじゃないな...。PSO では、途中参加可能な戦闘スペースをプレイヤーが用意して、ひとりで遊んだり友達や新しく友達になるだろう人を待ってたりする方式を取っているので、そのスペース (しばしば「部屋」と呼ばれます) へ入ることを乱入と言うのですね。FFXI でいうと、アサルト遂行中に途中参加する、みたいな。
ANNE「こんちちわわ。一緒に遊んでもいいかな?」
Subaru「はい。いいですよ ^ ^」
おぉ...どうやらマイルドな性格の人に当たったみたいです。よかったよかった。勝手に名前出しちゃったけど、まぁいいよね。すばちゃん。この子は FOnewearl のすばちゃん。名前はサクラ大戦のキャラから。なんでも 1 年半前から Dreamcast 版の PSO を始めたんだそう。へぇ...そいう人もいるんだねぇ...。完全に旬を過ぎて、人もずいぶん少ないけれど、それでもちゃんと楽しめるゲーム。PSO って実はスゴい。森林ステージをさらっと流して戦闘を終了。感覚的には殲滅ばっかりのナイズルって感じ。時間制限はないけどね。ひさびさで操作がかなり怪しいけれど、すばちゃんはかわゆく許してくれました。戦闘後はだいたい街でチャットモードに入ります。街っていうのは、探索の下準備をするためのフロアで、FFXI で言うとみんなが入れるモグハウスみたいな感じかな。すごくのんびりした感じの子で、楽しくおしゃべりさせてもらいました。で、最後にいちおう聞いてみる。
ANNE「cacophony って子、知らないかな? いや今だと melody ってキャラでいることが多いかも。」
Subaru「友達です。よくログインしてますね ^ ^」
いきなり当たり引きましたよ! まぁそもそも人が少ないからもしかするとほとんど顔見知りなのかもしれませんが...。ともかくも、重要なコネになるので名刺を交換 (フレンド登録みたいな) してお部屋を閉めます。お部屋を出ると SHIP のロビーに出るのですが
ANNE「あ... あれ? あ、あああああああああ!」
melody「アンちゃん! なんてお久しぶり!」
探すまでもなく見つかってしまいましたカコっち (私が勝手につけた cacophony のニックネーム) にしてメロメロ (私が勝手につけた melody のニックネーム)! この人は生き残っていました。本当に最後を見届けるつもりなんだ! この日、とてつもない感動が私の心の中を占拠しました。ずっと忘れないでいてくれて、帰って来た友達を暖かく迎えてくれる人。結局、友達らしい友達で残っていたのはこの子だけでしたが、そのツテで新しい友達も紹介してもらえて、船が沈むまでの約 2 ヶ月間をとても楽しく過ごすことができました。
最後の最後、完全になくなる瞬間をみんなで過ごそう! という企画で 2007 年 4 月 1 日 の 0 時 0 分を待ちました。0 時近くになってカウントダウン。3... 2... 1... 0...!
ANNE「って、あれ? なんか終わんないね。」
もしかして終了のアナウンスだけして実際にサーバーを落とすのを ソニチ は忘れてるんじゃないか (前科があるらしい)、などと冗談とも言い切れない話をしていましたが、結局それから 10 分後に通信が途絶えて本当に終了......。まぁ公式サービスが終了しても、有志が作ったエミュレータサーバーでさらに 1 年遊んでたんですけれどね。
で! 実はようやく本題に。カコっちと同じことを言った人が、ヴァナ・ディールにもいます。前記事で FFXIV が気になっている風なことも言ってみましたが、私はこの人の言葉を聞いて、新しい世界は目指さないことに決めました。今度は私もカコっちと同じ気持ちで最期を待ちたいと思います。それでいいよね。
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